タバコは臭いの接着剤|三次喫煙が体臭を強くする理由

健康・からだ

Why tobacco smoke makes body odor stronger — the mechanism of third-hand smoke

この記事は「人の臭いの科学シリーズ」の一部です。
全体はこちら → 人の臭いはなぜ起きるのか|体臭・口臭・室内臭の科学

体臭の強い人について話題になると、多くの人は次のように考えます。

タバコを吸うから臭い

確かにタバコの煙自体にも臭いがあります。

しかし実際には、タバコの影響はそれだけではありません。

タバコの煙は臭いを発生させるだけでなく、臭いを固定する働きを持っています。

その結果、体臭や生活臭が何倍にも強く感じられることがあります。

タバコの煙の正体

タバコの煙には、およそ7000種類以上の化学物質が含まれています。

その中でも臭いに大きく関係するのが次の成分です。

  • ニコチン
  • タール
  • アンモニア
  • 有機酸

これらの物質には共通した性質があります。

非常に吸着しやすいという性質です。

つまり煙の成分は、空気中を漂うだけでなく周囲の物に強く付着します。

タバコ臭が取れにくい理由

タバコの臭いが取れにくいのは、煙が次の場所に吸着するためです。

  • 衣服
  • 家具
  • 壁紙
  • 車内

さらに厄介なのは、吸着した物質が時間をかけて再び空気中に放出されることです。

これをオフガスと呼びます。

そのためタバコの臭いは、喫煙が終わった後でも長く残ります。

三次喫煙とは何か

タバコの臭いには、次の3つの段階があります。

 一次喫煙 = 本人が吸う煙 二次喫煙 = 周囲の人が吸う煙 三次喫煙 = 壁や衣服に残る煙

三次喫煙は近年になって注目されるようになりました。

煙の成分が

  • 家具
  • 衣服

などに残り、そこから長期間臭いが放出され続ける現象です。

タバコは「臭いの接着剤」

タバコが体臭を強くする最大の理由はここにあります。

煙の中のニコチンは、次のものと結合しやすい性質があります。

  • 皮脂
  • 臭い分子

そのため、体から出る臭いが衣服や髪に固定されやすくなります。

つまりタバコは

臭いを増幅する接着剤

のような役割を持っています。

臭いが全身から出る理由

喫煙者の臭いが強く感じられるのは、臭いの発生源が増えるためです。

臭いは次の場所から同時に出ます。

  • 呼気
  • 口腔
  • 衣服
  • 皮膚

そのため、呼気だけではなく人の周囲の空気が臭うことがあります。

これはまるで臭いの雲のように広がります。

古い部屋の臭いと似ている理由

喫煙者の体臭が

古いアパートの臭い

と似ていると感じることがあります。

これは次の臭いが混ざるためです。

  • タバコ臭
  • 皮脂酸化臭
  • 生活臭

これらは実際に、古い住宅で発生する臭いとほぼ同じ成分です。

臭いは本人には分かりにくい

ここで一つ疑問が生まれます。

なぜこれほど強い臭いなのに、本人は気づかないのでしょうか。

これは嗅覚の働きによるものです。

人の鼻は同じ臭いに長くさらされると、感覚を弱める性質があります。

これを嗅覚順応と呼びます。

次の記事では、この「自分の臭いに慣れてしまう脳の仕組み」について解説します。

👉 自分の臭いに気づかない理由|嗅覚順応(ノーズブラインド)の脳科学

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