The Fragrance of Fuuran — A Sweet Scent That Carries Through Decades
もう二十年近く前のこと。
山採りした**風蘭(フウラン)**を譲り受け、株分けしては実家や知人の庭に植えて回ったものでした。
最初の頃は数株しかなかったのに、今では各地で根付き、それぞれの家で花を咲かせています。
今年もその風蘭たちがバニラのような甘い香りを漂わせながら満開を迎えました。
朝の光を受けて白い花がゆらぎ、風が通るたびにふわりと香りが漂います。
花の時期には、工房や書斎に鉢を移して飾ります。
小さな空間が一瞬で“森の中の香り”に包まれるような心地よさです。
そして花が終わると、今度は野ざらし。
雨に打たれ、風に揺られながら次の季節を待ちます。
手をかけすぎず、ただ見守る――
それが風蘭との一番良い距離感のような気がします。






Its sweet vanilla fragrance fills the air every summer.
A living memory passed down for over two decades.
🌸 風蘭(フウラン / Neofinetia falcata):
日本の風蘭は、江戸時代から「富貴蘭(ふうきらん)」として珍重されてきた野生ランです。
樹上や岩肌に根を張り、湿った風とともに生きる着生植物。
花は小ぶりながら強い芳香を放ち、夕方から夜にかけて香りが最も濃くなります。
かつて武士や茶人たちは、この香りを“風の贈り物”と呼び、
書斎や床の間に飾って静かに愉しんだといわれています。
香りとともに記憶を運ぶ――
風蘭はまさに「時間を纏う花」です。
日本の風蘭は、江戸時代から「富貴蘭(ふうきらん)」として珍重されてきた野生ランです。
樹上や岩肌に根を張り、湿った風とともに生きる着生植物。
花は小ぶりながら強い芳香を放ち、夕方から夜にかけて香りが最も濃くなります。
かつて武士や茶人たちは、この香りを“風の贈り物”と呼び、
書斎や床の間に飾って静かに愉しんだといわれています。
香りとともに記憶を運ぶ――
風蘭はまさに「時間を纏う花」です。

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