漆の塗りなおし(祝い箸の修復)Refinishing Urushi Lacquer Chopsticks

拵え・塗物・その他

もう15年ほど前、尊敬する親友・O君の結婚式のときにいただいた祝い箸。
彼は私より二つ年下ですが、今でも心から尊敬している友人の一人です。

それ以来、ずっと大切に使ってきましたが、さすがに漆が剥がれて傷みも出てきたので、
このたび思い切って修復とパワーアップを兼ねて塗り直しをすることにしました。

使用するのは――
本漆を約100回塗り重ね、梨地(なしじ)+純金蒔き
漆は厚く一気に塗るよりも、薄く何層にも重ねるほうが強く、美しく、格調が上がるとされています。

塗りと研ぎを100回ほど繰り返すこの工程は、まさに“根気の工芸”。
ここまでくると、半年前からの積み重ねです。梨地を入れると、光沢に深みが生まれ、まるで生きているような艶になります。

下の写真、3枚目までは修復前、4枚目以降が現在の状態。
完成まであと少しです。仕上げ拭きと最終の艶出しを経て、再び日常の食卓へ戻る予定。

漆塗りの祝い箸修復 / Restoring Urushi lacquer chopsticks
Restoring Urushi Lacquer Chopsticks
These chopsticks were a wedding gift from a close friend 15 years ago.
Applying over 100 layers of natural lacquer gives them strength, depth, and a timeless sheen.
🎨 漆塗りの美学:
漆(うるし)は、古来より「時間を塗り重ねる工芸」と呼ばれてきました。
一度に厚く塗ると割れやすく、薄く塗っては乾かし、研ぎ、また塗る――。
この繰り返しが、耐久性と深みのある艶を生み出します。
日本の器や工芸に共通する「簡素の中の豊かさ」が、この小さな箸にも宿っています。

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