安心を売る商売はなぜ高くなるのか?居場所・コミュニティ・サービスの価格構造

エッセイ・思索

Why Businesses That Sell “Peace of Mind” Become Expensive

「安心なのに高い」と感じたことはありませんか

サブスク、オンラインサロン、スクール、カフェ、コミュニティ。
内容だけを見ると、

  • 情報はネットに転がっている
  • 技術も特別ではない
  • 原価も高くなさそう

それなのに、料金を見ると意外と高い。
そんな違和感を覚えたことはないでしょうか。

結論:人は「安心」に対して最もお金を払う

結論から言うと、

安心を売る商売は、価格が上がりやすい構造を持っています。

それは、安心が「比較しにくく」「代替しにくく」「手放しにくい」からです。

安心は「機能」ではなく「感情」

物やサービスの多くは、機能で比較できます。

  • 性能
  • スペック
  • 速度

しかし安心は違います。

数値化できず、他人と共有しにくい。
失って初めて価値に気づく。

だからこそ、

「高いか安いか」より
「失いたくないかどうか」で判断されます。

安心を売る商売の典型的な構造

安心を扱う商売は、次の要素を組み合わせています。

  • 否定されない空間
  • 分かってくれる人がいる感覚
  • 外より安全だという暗黙の比較
  • ここに居続ければ大丈夫という空気

これらは、

商品説明には書かれませんが、価格の中核です。

なぜ価格がどんどん上がるのか

安心を売る商売では、次の現象が起きやすくなります。

① 比較対象が消える

「他と比べてどうか」ではなく、

「ここにいるか、いないか」

という二択になると、価格競争は起きません。

② 手放すコストが心理的に高い

お金よりも、

  • 居場所を失う不安
  • 人間関係が切れる恐れ
  • 一人に戻る感覚

これが解約の壁になります。

③ 「続けている自分」を肯定したくなる

長く払えば払うほど、

「それだけの価値があるはずだ」

と人は自分を納得させます。

健全な安心と、危うい安心の境界線

ここは大切なポイントです。

健全な安心

  • 外の世界を否定しない
  • 離れても関係が壊れない
  • 依存を前提にしない

危うい安心

  • 外は危険だと強調する
  • ここだけが理解者だと言う
  • 疑問や距離を嫌がる

安心そのものが問題なのではありません。
安心の使い方が問題になるのです。

あとがき:人は「守られたい」のではなく「休みたい」

多くの場合、人は強くなりたいわけでも、成功したいわけでもありません。

ただ、少しの間、評価されずに座りたい。

安心を売る商売が高くなるのは、
人のこの欲求が、とても深いところにあるからです。

だからこそ、私たちはときどき立ち止まって、

「これは支えか、それとも鎖か」

を考える必要があるのだと思います。

この記事は、「なぜ商売はうまくいったり、うまくいかなかったりするのか」という視点から書いています。
考え方の全体像は、以下の記事で整理しています。

👉 なぜ「うまくいきそうな商売」が失敗し、「なぜか続く店」が生まれるのか

コメント

タイトルとURLをコピーしました