抹茶はなぜ石臼で挽くのか|味と香りが変わる理由
抹茶は石臼で挽くことで、低温のまま細かく粉砕され、香りと旨味が保たれます。
そのため、機械挽きよりも風味が豊かになるのが特徴です。
午後に抹茶が飲みたくなったので、京都から取り寄せていた碾茶(てんちゃ)を、久しぶりに石臼で挽いてみました。
自分の手で丁寧に挽いた抹茶は、香りも味も格別。まさに“挽きたての抹茶”という贅沢です。
ちなみにこの石臼は江戸時代の職人が作ったもの。現在ではほとんど再現できないほど精密な構造をしています。
私はこの石臼を自分で分解・調整・修理(いわゆる「目立て」)して復元しましたが、かなり完成度の高い仕上がりです。
「目立て」とは、石臼の歯の部分を整える繊細な作業で、わずかなズレでも挽き具合や香りに影響します。
現代ではこの技術を持つ職人がほとんどおらず、外注すると10万円近くかかることもあるほど。
それだけ、抹茶用の石臼は工芸品としても非常に貴重です。
抹茶はなぜ石臼で挽くのか
抹茶は非常に繊細な粉末のため、熱をかけずに細かくする必要があります。
石臼はゆっくり回転するため、摩擦熱がほとんど発生せず、
香りや色、旨味を損なわずに粉砕できるのが特徴です。
一方で機械挽きは効率が高い反面、どうしても熱が発生しやすく、風味に影響が出る場合があります。
石臼の精度が味を左右する
石臼はただ回せばいいわけではなく、歯の形状や角度、隙間の調整が重要です。
わずかなズレでも粉の粒度が変わり、結果として味や口当たりに影響します。
だからこそ「目立て」という調整作業があり、これが職人技として重要視されてきました。
碾茶が品薄になる理由
近年は海外でのMatcha人気の影響もあり、原料となる碾茶の需要が急増しています。
そのため、京都や宇治でも原葉が不足気味になっており、手に入りにくくなっています。
世界中で抹茶の価値が認識されていることの裏返しとも言えます。
碾茶を挽く音、香り、そして挽き上がった瞬間の色の美しさ。
まるで時代を超えて、昔の茶人と同じ時間を過ごしているような感覚になります。




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