最近、「迷惑メールに入れても入れても、また同じようなメールが届く」と感じていませんか。
しかも送信元を見ると、海外の怪しいアドレスではなく、日本のプロバイダや一見まともなドメインから届いている——。
実はこれ、あなたの感覚が正しくて、メールの仕組み上“完全には防げないタイプ”の迷惑メールです。
今回は、私のもとに実際に届いた Apple IDを装った詐欺メール を例に、
- なぜ正規アドレスに見えるのか
- なぜ迷惑メール判定をすり抜けるのか
- 私たちはどう付き合えばいいのか
を、できるだけ噛み砕いて説明します。
まず、届いたメールがコレ

しかし、メールアプリにある設定をどれか探すと、『すべてのヘッダーの表示』みたいな項目があります。
それを押すとこのようになります。

Icloudから来ているはずなのに、差出ドメインは so-net から。
完全におかしいです。
銀行、カード会社、アマゾン、から来る怪しいメールも大概そうです。
なぜならば、各会社の独自ドメインが絶対あるはずなのに、ドメインが so-netは
無いでしょう。笑
結論:このタイプの迷惑メールは「構造上、防ぎきれない」
先に結論から言ってしまいます。
SPF・DKIM・DMARCといった認証を通過している迷惑メールは、メールサービス側でも完全にはブロックできません。
だからこそ、
「自分が悪いのか?」
「設定が足りないのか?」
と悩む必要はありません。
問題はあなたではなく、メールの仕組みそのものにあります。
SPF・DKIM・DMARCとは何か(専門知識なしで分かる説明)
※ 少し専門用語が出てきますが、難しく考える必要はありません。
メールには、「このメールは本当に正しい送り主から来ていますか?」を確認するための仕組みがあります。 それが SPF・DKIM・DMARC です。
- SPF:
「この送信元サーバーは、このドメインからメールを送っていい人ですか?」という確認 - DKIM:
「送信途中で内容を書き換えられていませんか?」という電子署名のチェック - DMARC:
SPFとDKIMの結果を総合して、「問題があった場合どう扱うか」を決めるルール
例えるなら、
SPFは「差出人の住所確認」、
DKIMは「封筒の封印チェック」、
DMARCは「問題があったときの会社の対応方針」
のようなものです。
今回のような迷惑メールは、
これらすべてのチェックを「問題なし」で通過してしまっているため、 メールサービス側も「正規メール」として扱わざるを得ません。
つまり、
仕組みが壊れているのではなく、仕組みを悪用されている
という状態です。
なお、これらの仕組みは本来とても重要で、多くの詐欺メールを防いでいます。 今回のケースは、その「抜け道」を突かれた例だと考えると分かりやすいでしょう。
今回届いたApple ID詐欺メールの内容
実際に届いたメールは、以下のような内容でした。
- Apple IDの支払いカード認証に失敗した
- 一部サービスが制限されている
- 確認しないと利用停止の可能性がある
見た目はとてもそれらしく、Apple公式メールと区別がつきにくい構成です。
※ブログ掲載時には、自分のメールアドレスと送信元アドレスを伏せた画像を載せる予定です。
なぜ「正規アドレス」から届いてしまうのか
ここが一番のポイントです。
このメール、実は「なりすまし」ではありません。
送信元のドメインは実在し、
メールサーバの認証(SPF・DKIM・DMARC)もすべて通過しています。
つまり、
正規のメールアカウントが乗っ取られ、そのアカウントから詐欺メールが送信されている
という状態です。
例えるなら、
「本物の社員証を盗まれた状態で、会社に入られている」ようなもの。
入口のチェックは通ってしまうため、メールサービス側も簡単には止められません。
なぜ迷惑メールフォルダに入らないのか
多くの人が疑問に思うポイントです。
迷惑メール判定は主に、
- 送信元の信頼性
- 過去の通報履歴
- 明らかな詐欺パターン
などで行われます。
しかし今回のように、
- 国内プロバイダ
- 正規認証を通過
- 文面も比較的丁寧
という条件が揃うと、AI判定も「怪しいが断定できない」状態になります。
私が実際にやっている現実的な対処法
① 送信元ではなく「件名・内容」で自動振り分け
送信元アドレスをブロックしても意味はありません。
私が重視しているのは、
- 「会員情報確認」など不自然な日本語
- 件名に混ざるランダムな英数字
- HTML+ボタン付きの構成
これらを条件にして、自動的に別フォルダへ移動させています。
② メールは「見るが、触らない」
開封するだけなら大きな問題はありません。
しかし、
- リンクをクリックしない
- 画像を表示しない
- 返信しない
これだけは徹底しています。
③ 「100%防げない」と理解して気にしない
これが一番大事かもしれません。
完全防御は不可能です。
だからこそ、「来たら処理する」仕組みを作る方が精神的にも楽です。
この手のメールが増えている本当の理由
理由は単純です。
- セキュリティが弱い個人アカウントが多い
- 国内プロバイダの信用度が高い
- 人は「公式っぽさ」に弱い
詐欺側は、人の心理と仕組みの隙間を非常によく研究しています。
まとめ:知っていれば、もう引っかからない
今回のような迷惑メールは、
- 技術的に完全ブロックできない
- でも仕組みを知れば怖くない
- 冷静に処理すれば被害は防げる
というものです。
「正規っぽいから不安になる」
その正体が分かっただけでも、価値はあると思います。
あとがきコラム|不安を煽る情報に振り回されないために
最近は、「危険」「今すぐ対応」と不安を煽る情報があふれています。
でも、仕組みを一段深く知るだけで、
ほとんどの不安は「対処可能な問題」に変わります。
私自身、迷惑メールをゼロにすることは諦めました。
その代わり、「被害に遭わない構造」を作っています。
この記事が、同じように悩んでいる方の安心材料になれば幸いです。


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