🕊️ 日本の匠の工芸 ── 鶴蒔絵の名刺入れに宿る美/Japanese Craftsmanship

エッセイ・思索

The Craftsmanship of Japan — Beauty Hidden in a Crane Makie Card Case

個性的な名刺入れを探していたところ、市販品ではどうも物足りず、
「昔の職人技が光るものが欲しい」と思い立ち、ネットを探して見つけたのがこの逸品。

「作家の銘入り」で、鶴と松を金属の表面に極細の彫りと蒔絵で描いたもの。
漆の深い黒の上に、金が控えめに浮かび上がる――実に上品で、静かな力を感じます。

しかし、届いた品には小さな打ち傷やビビのような箇所もあり、
「自分で漆を塗って補修してみよう」と思っていたのですが……
ルーペで拡大して見てびっくり。

なんと! そのビビの中に直径1〜2mmほどの梅の花が彫られていたのです。

これはおそらく、師匠級の職人による隠し彫り(陰彫り)
贋作防止や遊び心として仕込まれたものだと思われます。

まさか、欠損に見えた部分が「意図された意匠」だったとは――
まさに日本の匠の美学。

手のひらに収まるこの小さな名刺入れに、
職人の呼吸と、静かなる挑戦が宿っているように感じます。
大切に使い続けたいと思います。

鶴の蒔絵名刺入れ / Japanese lacquer card case with crane makie design
Crane Makie Card Case
A Japanese lacquer masterpiece featuring cranes and pines.
Hidden within a fine crack, a tiny carved plum blossom reveals the artisan’s secret touch.
蒔絵の細部拡大 / Close-up of makie engraving detail
Engraving Detail
Under magnification, a miniature plum blossom appears—proof of a master’s invisible artistry.
🎎 補足コラム:隠し彫りと職人の遊び心
🎨 匠の美学:
日本の工芸には「見えない部分こそ美しく」という思想があります。
隠し彫りや陰蒔絵は、贋作防止や技術誇示のためだけでなく、
**“物に魂を宿す”**という信仰にも通じています。
手に取る人が気づくかどうか――その曖昧さを楽しむ、まさに匠の遊び心です。
静かな中に美を見出す日本人の感性が、こうした細部に凝縮されています。

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