Why people perceive smells differently — genetic variation in human olfaction
この記事は「人の臭いの科学シリーズ」の一部です。
全体はこちら → 人の臭いはなぜ起きるのか|体臭・口臭・室内臭の科学
同じ臭いでも、人によって感じ方が大きく違うことがあります。
ある人は
- 耐えられないほど臭い
と感じるのに、別の人は
- 少し気になる程度
- ほとんど気づかない
ということがあります。
これは単なる慣れや気のせいではありません。
人間の嗅覚には遺伝的な個人差があります。
人間の嗅覚受容体
臭いを感じるとき、鼻の奥にある嗅覚受容体が働きます。
これらは臭い分子を検知するタンパク質です。
人間には約400種類の嗅覚受容体があります。
それぞれが特定の臭い分子に反応します。
つまり人は400種類のセンサーを使って臭いを識別しています。
嗅覚遺伝子は人によって違う
嗅覚受容体を作る遺伝子は、人によって少しずつ違います。
この違いによって
- 強く感じる臭い
- 弱く感じる臭い
が変わります。
そのため、同じ臭いでも感度が大きく違うことがあります。
有名な例|コリアンダーの臭い
嗅覚の個人差で有名なのがコリアンダーです。
多くの人は爽やかな香りと感じます。
しかし一部の人は
- 石鹸の臭い
- 洗剤の臭い
と感じます。
これは特定の嗅覚遺伝子の違いによるものです。
腐敗臭に敏感な人
人間はもともと腐敗臭に敏感です。
しかしその感度にも個人差があります。
特に次の臭いです。
- 硫化水素
- メルカプタン
これらは歯周病臭や下水臭の原因です。
これらの臭いに特に敏感な人がいます。
そういう人は
- 吐き気
- 強い嫌悪感
を感じやすくなります。
嗅覚は進化の警報装置
嗅覚は人間にとって重要な感覚です。
特に次の危険を知らせる役割があります。
- 腐った食べ物
- 煙
- 有毒ガス
そのため人間の脳は、これらの臭いに強く反応します。
これは生存本能の一部です。
嗅覚は環境でも変わる
嗅覚の感度は遺伝だけでなく、生活環境でも変化します。
例えば
- 喫煙
- 加齢
- 慢性的な臭い環境
などです。
これらは嗅覚を鈍くすることがあります。
臭いの感じ方は人それぞれ
嗅覚の遺伝差を考えると、臭いの感じ方が違うのは自然なことです。
同じ空間にいても
- 強烈に感じる人
- ほとんど感じない人
が存在します。
これは単なる気の持ちようではなく、生物学的な違いです。
今回のシリーズのまとめ
ここまで、人の臭いに関する仕組みを見てきました。
- 人体周囲の空気の流れ
- 歯周病臭の化学
- タバコの影響
- 嗅覚順応
- 室内残留
- 建物臭
- 嗅覚の遺伝差
日常の中で感じる臭いには、実は多くの科学が関係しています。
普段何気なく感じる臭いも、仕組みを知ると見え方が変わるかもしれません。


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