天草西海岸の釣り完全ガイド|釣船は“入口”、ミニボートは“理解して選ぶ世界”

Amakusa West Coast Fishing Guide: Charter Boat as the Best Entry, Mini Boat as a World You Choose Wisely

天草の釣り、と一口に言っても「どこから出るか」で景色が変わります。私が天草西海岸で釣りを始めたのは、たしか2016年頃だったと思います。もともとは大矢野町から出る釣船によく乗っていました。熊本市内からも近く、行きやすいからです。

ところが、ある日、釣具屋で電動リールを見ていた時に、知らないおじさんから声をかけられました。

「ここの船はとにかく一押し。船長が客の気持ちになって、クーラーボックスが満タンになるまで時間延長して対応してくれる。ぜひ乗ってみて」

それが、天草西海岸の釣りの始まりでした。正直に言うと、それまで本渡の南には、全く行ったことがありませんでした。でも一度体験すると、もう戻れません。西海岸や牛深で釣りをすると、釣れる魚の大きさ、魚種、楽しさが段違いです。景色も最高で、海の色が「深い青」なんです。あれを見ると、ああ東シナ海だな、と実感します。


  1. 釣船は“入口として非常に優秀”。ミニボートは“理解して選ぶ世界”。
  2. 天草西海岸が“特別”な理由|魚影の濃さと、海の急変
  3. 前半:釣船編|「釣れる場所まで連れて行ってくれる」これが最強の入口
    1. 1) 釣れる場所まで“連れて行ってくれる”=釣りの濃度が違う
    2. 2) 船長の話が“教科書”になる|漁礁、沈没船、海底、季節のクセ
    3. 3) 海況が悪化しても「余計な心配をしなくていい」
    4. 4) 梅雨頃の楽しみ:イサキの数釣り+大型混在
    5. 5) 落とし込み釣り|「たまに釣れる」ではなく「結構釣れる」世界
  4. 後半:ミニボート(マイボート)編|自由の代わりに“判断”が全部自分に返ってくる
    1. ミニボートの現実①:岸から5kmという壁(法の航行範囲)
    2. ミニボートの現実②:富岡沖はおすすめしない(潮と海況が跳ねる)
    3. 怖かった体験①:風浪で帰れなくなった(転覆していてもおかしくない)
    4. 怖かった体験②:沖合でエンジン停止→再始動不能(2時間オール)
    5. 怖かった体験③:風浪に加えて雷(予報と余裕が命綱)
    6. ミニボートで絶対に外せない準備(最低ライン)
  5. 内部リンク
    1. 釣船の魅力・釣果の実例
    2. ミニボート:危険・失敗・判断の実例(最重要)
    3. ミニボート:楽しさ(岸際・高級魚)
  6. あとがきコラム|「釣れる海」ほど、引き際が人を救う

釣船は“入口として非常に優秀”。ミニボートは“理解して選ぶ世界”。

このハブ記事は、天草西海岸の釣り全般をまとめつつ、最後にあなたが必ず迷うポイント――

  • まずは釣船で行くべきか
  • ミニボート(マイボート)で行くべきか

その判断ができるように作っています。

私はどちらも経験しました。だからこそ、はっきり言えます。

  • 釣船:天草西海岸を「安全に、濃く、楽しく知る入口」として優秀。
  • ミニボート:自由で楽しいが、条件次第で“命に直結”する。理解して選ぶ人の世界。

天草西海岸が“特別”な理由|魚影の濃さと、海の急変

天草西海岸の魅力は、いろんな魚が釣れること。そして、どの魚もサイズが良いことです。東シナ海に面しているので、回遊魚が入ってくると「何が釣れるか分からない」面白さがあります。

岸際でも、アカハタ・アオハタ・オオモンハタといったハタ類、真鯛などの高級魚が狙えます。魚影が濃いので、条件が合うと“景気がいい釣り”になりやすい。これは、やってみると分かります。

ただし、同時に覚えておくべき現実があります。場所によっては潮が速く、ちょっとした条件が揃うと一気に危険側に振れます。特に小さな船ほど、危険は増幅します。


前半:釣船編|「釣れる場所まで連れて行ってくれる」これが最強の入口

1) 釣れる場所まで“連れて行ってくれる”=釣りの濃度が違う

釣船の最大の価値は、釣れる場所まで連れて行ってくれることです。天草西海岸や牛深に通うようになると、釣れる魚がとにかくデカい。正直、以前よく乗っていた大矢野町の釣りに「もう戻れない」と感じました。

大矢野町は熊本市内から近くて便利です。ですが、西海岸・牛深は到着まで倍以上の時間がかかる。それでも行く理由がある。魚の大きさ、魚種、楽しさ、そして景色が違うからです。

2) 船長の話が“教科書”になる|漁礁、沈没船、海底、季節のクセ

私が釣船で特に面白いと思うのは、船長からいろんな話が聞けることです。漁礁の話、漁礁になっている沈没船の話、海や海底の話、最近の釣果、昔の話。いつの時期に、どの辺で、どんな魚が釣れるのか。こういう“現場の知恵”は、ネットを読んでもなかなか手に入りません。

マグロやカジキ、何十キロもあるクエが釣れているという話も聞きます。天草西海岸は、何が起こるか分からないワクワク感がある。これは釣船の魅力を底上げします。

3) 海況が悪化しても「余計な心配をしなくていい」

やや強めの風が出てくると、風浪が発生します。天草西海岸はそれが珍しくありません。釣船の場合、こちらは余計な心配をせず、最後まで釣りを楽しめるメリットがあります。判断と操船を“プロ”が担ってくれる。これが、入口として釣船が優秀な理由です。

4) 梅雨頃の楽しみ:イサキの数釣り+大型混在

一つ忘れてはいけないのが、梅雨頃のイサキです。釣船なら沖合10km先の釣れるポイントまで行ってくれます。魚もデカい。しかも、大真鯛や石鯛が混じることもあり、数釣りなのに“夢”がある。こういう釣りは、一度知ると病みつきになります。

梅雨時期のイサキ釣りについては、季節性や釣り方を整理した固定ページも用意しています。

▶ イサキ釣りの記事一覧・考え方まとめ

5) 落とし込み釣り|「たまに釣れる」ではなく「結構釣れる」世界

天草西海岸の釣船で、もう一つ外せないのが落とし込み釣りです。これは、魚探やレーダーでイワシやアジの群れを探し、その群れの下に付いて回っている大型のフィッシュイーターを狙う釣りです。

狙うのは、ブリ、カンパチ、真鯛、ヒラメなど。サイズ感がまったく違います。
10kgを超える魚が、「たまに釣れる」のではありません。「結構釣れる」。これが現実です。

群れにうまく当たると、仕掛けを落とした瞬間に食ってくることもあります。魚探に映るベイトの反応と、その下に付く大型魚の存在。船が止まり、合図が出て、仕掛けを落とす。その一連の流れの中で、突然、常識外の重量が竿に乗る

正直に言うと、この釣りを知ってしまうと、なかなか抜けられません。
それまで「大きい魚が釣れたら嬉しい」だった感覚が、「このサイズが前提」に書き換えられます。

だからこそ、ミニボートでの釣りとの距離感も変わりました。落とし込みでブリクラスを何本も経験すると、岸から5km以内での釣りに物足りなさを感じてしまう。これは優劣ではなく、体験のレベルが変わってしまうという話です。

天草西海岸の釣船は、こうした釣りを「安全な環境」で体験させてくれます。これも、釣船が入口として非常に優秀だと感じる理由の一つです。
天草西海岸の落とし込み釣りについては、釣り方や考え方をまとめた固定ページもあります。 実際の釣行記とは別に、落とし込み釣りそのものを知りたい方はこちらも参考にしてください。

▶ 落とし込み釣りの基本と実体験まとめ


後半:ミニボート(マイボート)編|自由の代わりに“判断”が全部自分に返ってくる

私はミニボート(FRP製の小型ボート)を一隻だけ持ち、2024年に人に譲るまで改造を重ねて使っていました。小型船舶免許も、一発試験で取りました。自分の船で海に出る自由は、本当に楽しいです。

ただ、天草西海岸に関しては、はっきり言えます。ミニボートは「分かったうえで選ぶ世界」です。私は最終的に距離を置きました。その理由は、釣果ではなく“限界と危険”でした。

※ マイボート釣り全般については、別途固定ページで詳しくまとめています。 安全面や考え方を含めて確認したい方はこちらを先に読むのもおすすめです。

▶ マイボート釣りの実体験と注意点まとめ

ミニボートの現実①:岸から5kmという壁(法の航行範囲)

大物がたくさん釣れるポイントが岸から10kmほど離れている場所が多く、ミニボートの法律上の航行範囲(岸から5km以内)では「もう釣れる気がしない」と感じるようになりました。釣船でブリクラスの魚を釣る体験が増えるほど、小さい魚を釣る気がしなくなったのも正直な気持ちです。

でも、ここで無理をすると、天草西海岸は命を取りに来ます。だから私は、範囲内で遊ぶという割り切りをするか、釣船に任せるか、どちらかだと思っています。

ミニボートの現実②:富岡沖はおすすめしない(潮と海況が跳ねる)

ブログにも書いていますが、私は富岡沖はおすすめしません。有明海からの潮と西海岸の潮がぶつかり、条件が揃うと非常に危険になります。漁船クラスでも沈没している船があるくらいです。

怖かった体験①:風浪で帰れなくなった(転覆していてもおかしくない)

実際に、富岡沖で風浪に遭い、出航場所に帰れなくなったことがあります。一歩間違うと命に関わる危険がありました。無理をしていたら、たぶん転覆していたと思います。天草西海岸は、そういう“顔”を見せます。

怖かった体験②:沖合でエンジン停止→再始動不能(2時間オール)

沖合でエンジンが止まり、再始動しなくなったこともあります。結局リコール対象のエンジンだったのですが、海の上ではそんな事情は関係ありません。下手すれば遭難です。私は2時間オールを漕ぎ続けて、やっと帰れました。潮の向きが反対だったら、本当に危なかった。

怖かった体験③:風浪に加えて雷(予報と余裕が命綱)

さらに、風浪に加えて雷。天候は事前に調べ、余裕をもって行動しないと危険です。天草西海岸は「後半に風が出る日」もあります。そういう日は、最初から出ない。出るなら短時間で撤収できる計画にする。ここが分かれ目です。

ミニボートで絶対に外せない準備(最低ライン)

  • 風・波高・風向きの確認:出る前に必ず。数字だけでなく“向き”を重視。
  • 帰りを先に決める:「何時に戻るか」を先に決め、状況が悪化したら早めに切る。
  • エンスト想定:起きる前提で対策。沖で止まると話が変わります。
  • 法定装備・免許:海上保安庁は意外といます。不備は大きなトラブルになります。

もう一つ現実として、自分の船を出航させてくれる漁港がほとんどありません。海況だけでなく、出せる場所・上げられる場所まで含めて計画が必要です。


内部リンク

釣船の魅力・釣果の実例

ミニボート:危険・失敗・判断の実例(最重要)

ミニボート:楽しさ(岸際・高級魚)


あとがきコラム|「釣れる海」ほど、引き際が人を救う

天草西海岸は、本当に釣れます。サイズも良いし、魚種も多い。景色も最高で、海の色が深い青。あの海に出ると、「また来たい」と思うのが自然です。

でも、釣りが楽しいほど、人は“もう少し”をやってしまいます。
私が一番伝えたいのは、釣りの技術よりも「引き際の技術」です。

  • 迷ったらやめる(迷っている時点で、もう危険側に寄っている)
  • 安全側の判断を先に決める(帰る時間・撤退の条件)
  • 「大丈夫そう」ではなく「悪くなる前に切る」

釣船は入口として優秀です。まずは釣船で天草西海岸の凄さを体験し、海のクセを知る。そこからミニボートを選ぶなら、理解して選ぶ。
その順番が、長く楽しむための近道だと思っています。

この記事が、あなたの「楽しい釣り」を、事故のない「長い趣味」に変える手助けになれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました