親切なおじさんとの出会い
おじさんは、手を休めて 応えてくれました。
『それは大変だねー 。じつは昨日も同じで
あっちに帰れなくなった船があったんだよー。
北西風が吹く時には、富岡の北西側は波が立って危ないからねー。
何隻も あそこでひっくり返っているから。 引き返してきて正解だよ。
こっち側で船を上げる場所はね ほら、あそこに建物が見えるでしょ? アレが高校だから
その高校の横にコンクリートのスロープがあるから、そこで上げる事ができるよ。!』
本当ですか。ありがとうございます。 いやー助かりました。忙しい時にスミマセンでした。
『 風が出ると危ないから、気をつけて行くんだよー 』
ハイ、ありがとうございます。!!! 助かりましたー。
富岡港への帰還
こういう時って、嬉しいもんですよね。
そんなこんなで、教えてもらった建物を目指して進んでいく事にしました。
進んでいくと、後ろから漁船が追い越していき、漁船の進行方向からして
首尾よく同じ港を目指しているようでしたので、付いていく事にしました。
しばらくすると、建物の横にスロープが見えます。
あ! あそこか。助かった!!
港は富岡港みたいです。
志岐漁港まで、ここならば距離は1キロくらい。

15分もあれば車を取りに行けます。
スロープ選びと地元の人への確認
港内に入ると、高校の横とは別に漁港の奥にもスロープが見えました。
ん?どっちだろう?
私は地元の人と揉めたり、使用禁止になるのを防ぐため、
必ず誰かに確認してからスロープを使うようにしています。
高校の横のスロープはおそらく学校のもので、私有地の可能性が高く、
本当に使ってよいのか疑問でした。
でもどちらかを使わないと帰れない……。
その時、ちょうど港の入り口近くで作業している漁船があり、夫婦で片付けをしているようでした。
『すみません~、じつはシケで 出航した港に帰れなくなりまして……
そこのスロープは使用できますか?』
いかにも漁師という風貌の方でしたが、親切に応えてくれました。
『そうかい。そりゃ大変だったね。スロープ使っていいよ。困った時はお互い様だよ。』
ありがとうございます!助かりました。
親切な夫婦との再会
あー。これでひと安心だ。
危なかったなぁ~~
ということで、スロープにアンカーで船を固定して、
とりあえず自分の足で走って 志岐の港まで車を取りに行く準備をしました。
ただ、釣具や魚探はそこに置いていて 果たして大丈夫かなと不安がよぎります。
親父から聞いた話では、夜に釣り支度をして山本釣具屋とかで買い物をして店を出てくると
その間に船外機を盗られたり、釣竿が無くなったりする被害が結構あるとか。
去年も軽トラに積んでいた新品の電動リールを盗まれたとか釣具屋の雑談で聞きました。
どうも そういうところで待ち伏せしている窃盗団がいるとか。
とりあえず、周囲を見ると 怪しい人は見当たりません。
魚探本体とリールだけ抱えて 車まで走っていくことにして作業を始めました。
すると、スロープの上のほうに軽の自動車が止まり、人が降りてきました。
どうも私に用事があるみたいです。
よくみると、さっきの漁船で作業をしていた夫婦です。
『どこから来たんだい?? そこまで乗っけて行くよ。』
いえいえ、大丈夫です。志岐ですので なんとか自分の足で走っていけます。
お気持ちありがとうございます。!!!
『いいから乗っていきなよ。困った時はお互い様だから。そう言わんで 乗りなよ。』
そうしているうちに、私は海苔でズルッと滑って尻餅。 泥まみれ。
いや~こんな状態ですので、とても申し訳ないです。大丈夫です。!!!
『そんなの ええから!!。気にすんな!! 椅子の座布団洗えばいいから 乗っていきな !!!』
御親切に負けて、乗せてもらうことにしました。
尻には救命胴衣を敷いて 車のシートが汚れない様に 一応気を使いました。
教えと感謝
送ってもらう車内で これまでのいきさつを話しました。すると、
『あそこは 上げ潮の時はまだいいけど、下げ潮の時がいかん。今の時間は下げ潮だから、
北西から風が出ると 有明海から出てくる速い潮波と
風で起きる波が合わさって、
富岡のところで 太か三角波の出来るとよ。
あそこの場所では大きい船も何隻もひっくり返っとる
引き返して正解バイ。ひっくり返ったら 釣りどころじゃ無かようになるばい。
で、今日は釣れたね ?? 』
全然ダメだった話、それからナブラに 散々からかわれた話をすると
『そら 気の毒だったね』 と大笑いされました。
別れと御礼
志岐の自分の車のところに着くと、
今度はもう一回 俺達の車に付いてきなさいと
富岡港までわざわざ道案内して下さいました。
恐縮至極です。。。。
親方は、『今日は 俺達は まぁまぁ釣れたから、魚も持って行きなよ 』と
なんと 魚も 戴きました。
たしか 海上で、『今日は 魚はもう休みだよ! 』 と
釣り上げたオコゼが言っていた様な。。。

騙された。(笑)
親方に 是非御礼をしたい旨を言っても 頑として断られました。
とても親切な親方と お女将さんで感動してしまいました。
車が見えなくなるまで お見送りしましたが、
ただ、私も このままで 帰るわけにはいかないので、
スーパーで焼酎を買い、紙袋にマジックで御礼をしたため
親方達の乗ってこられた船に 置いてきました。
次回、近くに来たら また焼酎を届けて御礼をしておきたいと思った次第です。
魚は釣れず 港にも帰れず大変な目に遭いましたが、
人の親切を肌身に感じる事が出来た 釣行でした。
読んで頂いた皆さんも、富岡の沖は
大した風でなくても予想以上の波が立つので
くれぐれも御注意下さいね。
フォトキャプション
English Captions
Local fishermen offering guidance and kindness on a rough day. Harbor slopes of Tomioka — a lifeline for stranded small boats. True warmth of Amakusa’s people outshining a cold winter sea.
あとがき
釣果こそゼロでしたが、心が満たされた釣行でした。 富岡沖は北西風で急変する危険海域。安全を最優先に、次も人の温かさに感謝しながら出航したいと思います。


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