人が帰ったあとも臭う理由|空気・壁・布に起きる「臭い残留」の3段階

健康・からだ

Why odor remains in a room after a person leaves — the three stages of odor persistence indoors

この記事は「人の臭いの科学シリーズ」の一部です。
全体はこちら → 人の臭いはなぜ起きるのか|体臭・口臭・室内臭の科学

人が部屋にいたあと、しばらく臭いが残ることがあります。

体臭やタバコ臭などは、本人がいなくなっても室内に残ることがあります。

しかし臭いの残り方には明確な段階があります。

それは次の三つです。

 ① 空気中の臭い ② 表面に付着した臭い ③ 素材に染み込んだ臭い

この違いを理解すると、なぜ臭いがすぐ消える場合と、長く残る場合があるのかが分かります。

① 空気中に漂う臭い

もっとも単純なのが、空気中に浮いている臭いです。

臭いは小さな分子でできています。

例えば

  • 硫黄化合物
  • 脂肪酸
  • 有機ガス

などです。

これらは空気中に拡散します。

換気をすると、臭い分子は外へ排出されます。

そのため

換気すればすぐ消える臭い

は、この段階です。

例えば

  • 口臭
  • 体臭
  • 香水

などです。

② 表面に付着する臭い

臭い分子は空気中を漂うだけではありません。

次のものに吸着します。

  • 家具
  • タイル

この状態を吸着(adsorption)と呼びます。

表面に付着した臭いは、時間が経つと再び空気中に戻ります。

これを再放出(オフガス)と言います。

そのため

  • 一度消えた臭いが戻る
  • しばらく臭いが続く

という現象が起きます。

③ 素材に染み込む臭い

もっとも強い臭いは、素材の内部に入り込む場合です。

例えば

  • カーテン
  • ソファ
  • 木材

などです。

これを吸収(absorption)と呼びます。

この場合、臭いは素材の内部からゆっくり放出されます。

そのため

  • 数日残る
  • 洗濯しないと消えない

ことがあります。

風呂場で臭いが残りやすい理由

浴室や脱衣所では臭いが残りやすいことがあります。

これは湿度が関係しています。

湿度が高いと、臭い分子は次の状態になります。

  • 空気中に留まりやすい
  • 表面に付着しやすい

そのため臭いが滞留しやすくなります。

特に

  • 換気が弱い
  • 空気の流れが少ない

場所では臭いが残ります。

(☆衣類の臭いも、実は同じ湿気構造で起きるのです。関連記事:)
👉 ジャンパーの脇だけワキガみたいに臭う理由|肌に触れてないのに臭う“湿気トラップ構造

30分換気で消える臭い

もし臭いが

  • 建材
  • カビ
  • 排水

などから発生している場合、30分の換気では消えません。

しかし人の体臭などの揮発臭は、空気中に漂うだけです。

そのため

換気で比較的早く消える

という特徴があります。

つまり短時間で消えた臭いは、ほとんどの場合人由来の臭いです。

臭いは空間に移動する

臭いは目に見えませんが、実際には空気中の分子です。

そのため

  • 空気
  • 表面
  • 素材

の間を移動します。

これが室内臭の基本構造です。

臭いが重なると「生活臭」になる

ここまで見てきたように、臭いは

  • 空気中に漂う
  • 表面に付着する
  • 素材に残る

という形で室内に広がります。

この状態が長く続くと、さまざまな臭いが空間に蓄積していきます。

例えば

  • 皮脂の臭い
  • 湿気によるカビ臭
  • タバコの煙の臭い

などです。

これらが混ざると、人はそれをまとめて

「古い部屋の臭い」

として感じます。

次の記事では、この古いアパートの臭いの正体を詳しく解説します。

👉  古いアパートの臭いの正体|皮脂・カビ・タバコが作る「生活混合臭」

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