Why we make impulse purchases: the psychology behind “just one more thing”
「買うつもりはなかったのに、気づいたらカゴに入っていた」
こういう経験、たぶん誰でも一度はあると思います。もちろん私もあります。
特にドン・キホーテみたいな店に入ると、予定外の買い物が増える。これは気のせいではありません。
今回は、人はなぜ衝動買いをしてしまうのかを、難しい言葉を使わずに整理します。
「自分がだらしないから」ではなく、そうなる条件が揃うと誰でも起きるという話です。
衝動買いは「意志の弱さ」ではなく「状態」の問題
衝動買いをする人は意志が弱い、と思われがちですが、実は順番が逆です。
意志が弱くなる状態に入ったとき、人は衝動買いをしやすくなります。
その代表がこの3つです。
- 疲れている
- 空腹・眠い
- 時間に余裕がある(またはダラっとしている)
この状態では、理性よりも「今の快」を優先しやすい。
つまり衝動買いは、性格というよりコンディションに左右されます。
理由①「選択疲れ」――店内にいるだけで判断力が減る
店に入ると、私たちは一見ただ歩いているようで、頭の中ではずっと判断しています。
- こっちの方が安い?
- サイズはどれ?
- 今必要?
- あとで困らない?
これが積み重なると、脳が疲れます。これをよく選択疲れと言います。
そして人は疲れてくると、最後はこうなります。
「もういいや、買っちゃえ」
ドン・キホーテがあの“ごちゃごちゃ感”を残しているのは、
まさにこの「判断力の消耗」と相性が良いからです。
(このあたりは、以前書いた「ドン・キホーテはなぜ独特なのか」ともつながります。)
理由②「限定」「特価」「残りわずか」――焦りは購買ボタンになる
衝動買いの強いスイッチは、焦りです。
- 今だけ
- 数量限定
- 本日限り
- 残りわずか
こういう言葉を見ると、人は「考える」より先に「確保」を優先しやすい。
なぜなら、失敗よりも取り逃がしの方が痛く感じるからです。
結果として、必要性よりも「逃したくない気持ち」が勝って、購入に繋がります。
理由③「安いから買う」ではなく「安いから許す」になっていく
衝動買いは、よく「安かったから」と言われます。
でも実際には、こういう構造のことが多いです。
「安いから買う」ではなく、「安いから許す」
・本当はなくても困らない
・でも安いし…
・まあ、いいか
これが積み重なると、買い物の理由が「必要」から「正当化」に変わっていきます。
そして最後には、商品ではなく価格を買う状態になります。
(ここは、前回の「安さに騙されない買い物の視点」の続きそのものです。)
理由④「ついで買い」は店の設計で起きる
人は「目的の商品」だけを買いに行ったはずでも、
通路の途中で別の商品を見て、気づいたら手に取ってしまいます。
これは偶然ではありません。
店側はついで買いが起きる配置を、かなり計算しています。
- 目線の高さに置く
- 通路の曲がり角に置く
- レジ前に置く
「最後の一個」がレジ前で増えるのは、
人間の心理として自然に起きるように設計されているからです。
衝動買いを減らすための、私のシンプルな対策
衝動買いをゼロにする必要はありません。買い物も娯楽ですから。
ただ、後悔が増えるときは「買う前の一呼吸」が効きます。
- その場で5秒止まる(体を止めると心も止まる)
- 家の置き場所を想像する(置き場所が浮かばない物は危険)
- 「安くなくても買うか?」を自分に聞く
この3つだけでも、衝動買いの「失敗」はかなり減ります。
あとがきコラム|衝動買いを責めない。でも主導権は渡さない
衝動買いをしてしまうと、つい「自分はだめだ」と思いがちです。
でも実際には、衝動買いは人間として自然な反応でもあります。
問題は衝動買いそのものではなく、
衝動に主導権を渡してしまうことです。
店はうまくできています。人の心理に合わせて作られている。
だからこそ、私たちは「自分のペース」を持っておくと強い。
安さや限定という刺激を楽しみつつ、最後は自分で決める。
それができると、買い物はもっと気持ちよくなります。


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