第二章:副業に興味のなかった男が、古陶磁に出会うまで /How a Man With No Interest in Side Jobs Discovered Antique Ceramics

骨董・古美術(副業)

副業に興味のなかった男が、古陶磁に出会うまで

私はもともと、美術品にも骨董にも、副業というものにも興味がありませんでした。
ただの勤め人で、必要なものがあればネットで安い中古を探す──そんな生活です。

ある日、欲しい物があってインターネットオークションを覗いてみると、
1円スタートのものから強気の価格設定まで、さまざまな出品がされています。
ですが最終的には必ず“落ち着く値段”というものがあり、
どれだけ安く始まっても、結局は似たような価格帯に収束することが分かりました。

その中で気づいたのは、
安いものほど“訳アリ”が多い。
当たり前のようですが、数日間眺めてみると実感としてよく分かりました。

偶然目に入った「美術品」の欄

オークションサイトには膨大なジャンルが並んでいます。
まるで電話帳のような分類で、「世の中にはこんなにいろんな物が売られているのか」と感心しました。

ふと興味本位で、美術品・アンティークのページを開いてみると──
そこには私の価値観を揺さぶる世界が広がっていました。

鑑定付き、真作保証、返品可。
そんな商品が、とんでもない値段まで競り上がっていく。

「えっ…この猫の茶碗みたいな物が、そんなに高くなるの?」

本当に衝撃でした。

“副業としての可能性”に気づいた瞬間

そのとき、ある考えが頭に浮かびました。

本物と偽物を見極めて、鑑定が取れれば高く売れるのでは?
仮に外れても、オークションでまた売れば買値に近いはずだから、大損はしないのでは?

当然ながら、骨董は素人が手を出してはいけない世界です。
けれど、「相場が存在する」という事実は、他の商品と同じ。

仮に“限りなく本物に近い品”を安く買うことができれば、
リスクは最小限で、リターンはとても大きいのではないか。

そんな思いが湧いてきました。

狙いを定めたのは、備前焼と楽茶碗

陶磁器の世界は素人には難しい。
ですが、幸いなことに鑑定機関が存在する分野がいくつかあります。

調べて分かったのは、

  • 古備前焼(備前焼の古いもの)
  • 楽茶碗(京都・楽家の茶碗)

この2つは、正統な鑑定機関がしっかりしている。

そこで私はブックオフに行き、
備前焼と楽茶碗の本を買い漁り、
特徴・時代背景・作家の癖などを勉強しました。

オークションの写真と見比べてみると…

「これは絶対違うな」
「これはもしかすると当たりかもしれない」

少しずつですが、分かるようになっていきました。

転機となる“友人の一言”

そんなある日、友人からこう言われます。

「古い焼き物が好きなら、ちょっと良いところがあるよ。」

この言葉が、私を“本物の古陶磁の世界”へと引き込んでいくことになります。

つづく


あとがき / Postscript

この頃の私は、まだ「副業をやろう」と肩肘張っていたわけではなく、
ただ相場の仕組みと人の心理を観察していただけでした。
それがいつの間にか、骨董という世界に導かれていったのだと思います。

次回はいよいよ、友人に教えてもらった“ある場所”と、
そこで私が実際に踏み出した一歩について書きます。

英文キャプション / English Caption

This episode tells how I, a man with no interest in side jobs at first, discovered the world of antique ceramics through online auctions. The story continues in the next chapter.

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