ヤマメの産卵を見る旅 / Witnessing the Spawning of Yamame Trout

自然の観察

友人の案内で、九州山地のとある沢へヤマメの産卵を見に行った。
このあたりの人たちは、都会の一部の人々と違って、禁漁期間などの決まり事をしっかり守っている。
自然と共に暮らすということが、生活の中に根づいているのだと感じた。

小さな沢に息づく命

「えっ?こんな沢に?」と思うような小さな支流で車を降りる。
友人が指さす先の小川の底をよく見ると、一部だけ白っぽくなっている場所がある。
そこがヤマメの“産卵床”だという。雄のヤマメが尾びれで小石をはぐり、卵を産みやすい場所を作るのだそうだ。

ヤマメが産卵する沢の風景
岩の隙間を縫うように流れる清流。ここでヤマメは命をつなぐ。
In this quiet mountain stream, yamame trout carve their nesting grounds with patience.

場所は瀬尻(せじり)の、流れがゆるやかで浅い場所が多いという。
やがて雌がやってきて、産卵と同時に雄が精子をかける。
その後、雄がしばらくその場所を守り続けると聞く。

ヤマメがつくる“白い産卵床”。
The pale patch on the streambed marks the trout’s nesting site.

山奥の川の物語

この清流のどこにでもいるような小さな魚たちが、こうして命をつないでいる。
人の手がほとんど入らないこの沢にも、確かな暮らしがあることを思うと、胸が熱くなった。
友人は笑って「解禁になったら、ここで釣っても大丈夫だから」と言っていた。

渓流の浅瀬と光の反射
静けさの中に潜む生命の循環。
Even the smallest ripples carry the rhythm of life.

あとがき

ヤマメは“川の女王”と呼ばれるが、その誕生の瞬間は驚くほど静かだ。
釣り人であっても、この時期は竿を置き、そっと見守るだけ。
自然の中で“待つ”ことの大切さを改めて感じた一日だった。

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