ガレージに現れたツミ / A Sparrowhawk in the Garage

生き物(鳥・虫など)

昨日、親父がガレージの床を見て驚いた。
そこには、血の跡と、ムクドリと思われる胴体の半分が転がっていた。
何かに食われたような形跡があり、最初はイタチか何かだろうと話していた。

風のような気配

翌日、私はシャッターを閉めたまま、ガレージの中で作業をしていた。
窓も閉まっているのに、ふと、団扇であおがれたような、かすかな風を頬に感じた。
おかしいなと思い見渡すが、どこにも隙間はない。

しばらくしてまた、同じような風が頬をかすめた。
息を止めて天井を見上げると――

梁の上のハンター

そこにいたのは、灰色の翼と鋭い目をした鳥。


羽ばたいてもほとんど音を立てず、静かに鉄骨の梁を移動していた。
トンビでも鳩でもない。まるで“鷹”のようだった。

写真を撮って調べてみると、どうやらツミという鳥らしい。
日本に広く生息する小型の鷹で、スズメやムクドリなどを狩るハンター。
住宅地や公園にも姿を現すことがあり、鋭い視線で獲物を見つける。

都市にすむ猛禽

ツミは意外にも、森の奥よりも街中に近い場所を好むこともあるという。
電柱や倉庫の梁、高架下などに止まり、狩りをする姿が観察されている。
静かな羽ばたきと俊敏な動きで、ムクドリやスズメを一瞬で捕らえる。

ガレージの梁に止まるツミ
A Japanese Sparrowhawk quietly perched on the steel beam.

小さな自然のドラマ

まさか、自分のガレージの中で野生の鷹と遭遇するとは思わなかった。
風の正体は、奴の羽ばたきだったのだ。
ツミが狩りを終え、雨宿りか休息に入り込んだのかもしれない。

自然は、思いもよらないところで生きている。
その気配を感じたとき、少しだけ世界が広がったような気がした。

ガレージの梁に現れたツミ(撮影:ニシムラけん)

あとがき

ツミ(雀鷹、Accipiter gularis)は日本で最も小さな鷹の一種。
オスは灰青色、メスは褐色がかり、胸に細かい横縞があるのが特徴です。
かつては山地で見られる鳥でしたが、近年は都市部でも繁殖例が増えており、
人間の生活圏と自然が交わる場所で、静かに生き続けています。

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